歯科のお仕事完全マニュアル  第1章 STEP3 予防・治療の対象

歯科医療というと、「歯を削ってつめる」「歯の神経をとる」「歯を抜いて入れ歯をいれる」などのイメージが強いかもしれませんが、むし歯にならないように患者さんを守ることも、歯科医療の役割の一つです。

STEP3では、歯科医療における予防・治療の対象をお伝えします♪

第1章 歯科医療について

STEP1 歯科医院とそこで働く人たち
STEP2 歯科医院の1日とアシスタント
STEP3 予防・治療の対象
STEP4 保険治療と自費治療

予防の対象

歯科医療における予防の対象は、主としてう蝕(むし歯)歯周病です。う蝕と歯周病は、口の中の2大疾患とよばれ、歯を失う最大の原因といわれています。

予防の対象

全身的な健康を維持するためにも、歯科疾患の予防は大切です。今後ますます予防の重要性は高まっていくと考えられています。

治療の対象

一般的な歯科医院で行われる、治療の対象となる症状について、代表的なものを説明します。

① う蝕

う蝕は、歯科医療において予防の対象であると同時に、治療の対象でもあります。

患者さんが歯科医院に来院するきっかけの中の大部分を占め、う蝕になると冷たいものや甘いもの、温かいものがしみるようになります。

進行したう蝕を長期間放置しておくと、なにもしない状態でも痛みが出るようになってしまうため、早期に治療することが重要です。

う蝕の部分を削って、プラスチックの材料で補ったり、型をとって銀歯を入れたりします。

② 歯周病

う蝕と同様に、歯周病も治療の対象になります。

う蝕に比べると自覚症状が少なく、歯肉(歯ぐき)からの出血や、歯ぐきの腫れがみられます。歯周病が進行すると、歯槽骨(歯を支える骨)まで溶かしてしまい、歯がグラグラと揺れてきます。

歯周病の治療では、ブラッシング指導や、歯の周りについた汚れ(プラーク)や歯石の除去を行います。

③ その他の病気

粘膜の病気

う蝕と歯周病に加えて、口内炎などの粘膜の病気も、治療の対象となります。薬剤の塗布や処方などを行います。

口内炎の様子
口内炎の様子

外傷

事故やスポーツなどで顔面を打ち、歯がグラついていたり、抜け落ちたりしてしまった場合も、治療の対象になります。

外傷は、初期対応の早さによって予後が変わります。急患で外傷の患者さんが来られたときは、あせらずに的確な対応をしましょう。

亀裂の入った歯
亀裂の入った歯

歯が失われたスペース

う蝕や歯周病、外傷などによって歯を失うと、話すことや食事などがしづらくなったりします。

また、歯が失われたスペースを長期間放置しておくと、隣の歯が傾斜してきたり、上の歯が挺出(ていしゅつ)してきたりします。それを防ぐために、ブリッジや入れ歯、インプラントなどの方法で、失われたスペースを補う必要があります。

歯が失われたスペース
歯が失われたスペース

智歯(親知らず)

親知らずの生えている方向によっては、まわりの歯に悪影響をおよぼす場合があります。また、歯ブラシが届きにくいため、う蝕や歯周病にかかりやすく、歯肉に炎症があると、上の歯と咬み合わせたときに痛みを感じる場合もあります。

まわりの歯に悪影響が出る前に、親知らずの治療または抜歯を行う必要があるでしょう。

見た目

歯科疾患にかかっていなくても、患者さんに「口元の見た目を改善したい」という意思がある場合は、見た目をキレイにする治療が行われます。

術前(左)と 術後(右)
術前(左)と 術後(右)

※ 医療では、治療前のことを術前(じゅつぜん)、治療後のことを術後(じゅつご)といいます。

歯列不正

患者さんに「歯並びをキレイにしたい」という意思がある場合は、矯正治療が行われます。

歯列不正があると、歯ブラシが届きにくい部分にう蝕ができたり、歯周病にかかりやすくなったりします。う蝕や歯周病を予防するためにも、歯の矯正は効果的です。

術前(左)と 術後(右)
術前(左)と 術後(右)

このように、歯科医院では歯にまつわるさまざまな治療が行われます。

う蝕がきっかけで来院された患者さんであっても、他の治療が必要な場合や、今後う蝕にならないための指導やメインテナンスが必要です。

姉妹サイト『WHITE CROSS』では、このような説明ツールを無料でご用意しています。

WHITE CROSSお役立ちツールへ
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患者さんとコミュニケーションをとる上で、ぜひ役立ててくださいね♪

第1章 歯科医療について

STEP1 歯科医院とそこで働く人たち
STEP2 歯科医院の1日とアシスタント
STEP3 予防・治療の対象
STEP4 保険治療と自費治療