歯科のお仕事完全マニュアル 第3章 患者さんの情報 STEP7 X線写真(デンタルの撮影)

デンタルとは、患者さんの歯を個別に撮影した小さなX線写真のことをいいます。

今回は、デンタルを撮影する目的や撮影方法について紹介します♪

STEP7 X線写真(デンタルの撮影)

1.目的と用途

ピンポイントで撮影する

う蝕や歯周病などを細かく確認するため、ピンポイントで1枚ずつ撮影します。

ピンポイントで撮影する

口の中全体を見るために撮影する

口の中全体の情報を得るために、デンタルを10枚セットや14枚セットで撮影することがあります。それぞれを「10枚法」「14枚法」とよび、今回はデンタル10枚法について説明していきます。

デンタル10枚法
デンタル10枚法

2.撮影の仕組み

デンタルは、デンタルX線写真撮影機デンタルフィルムを用いて撮影します。デンタルX線写真撮影機の先端をコーンといい、このコーンからX線が出ます。そして、X線が撮影したい歯を透過してデンタルフィルムに画像をうつします。

デンタルX線撮影の仕組み

なお、金属などはX線を通さず、白く写りこんでしまいます。そのため、患者さんが義歯を装着している場合は、はずした状態で撮影する必要があります。また、デンタルの場合は、ピアスやネックレスなどの金属は写りこまないので、はずさなくて良いとされています。

3.インジゲーターを用いた撮影法

インジケーター
インジケーター

歯科医院によっては、デンタルの撮影において、インジケーターというフィルムの位置とコーンの向きを固定する器具を使用します。

4.インジケーターを使用しない撮影法

インジケーターを使用しない歯科医院では、自分でX線をあてる向きなどを考えて決めなければいけません。

つづいては、デンタル10枚法における、それぞれのフィルムのセッティングについて説明します。

上顎右側大臼歯

① 上顎右側大臼歯の撮影方法

上顎右側犬歯から小臼歯

② 上顎右側犬歯から小臼歯の撮影方法

上顎前歯

③ 上顎前歯の撮影方法

上顎左側犬歯から小臼歯

④ 上顎左側犬歯から小臼歯の撮影方法

上顎左側大臼歯

⑤ 上顎左側大臼歯の撮影方法

* 「下顎右側大臼歯」「下顎右側犬歯から小臼歯」「下顎前歯」「下顎左側犬歯から小臼歯」「下顎左側大臼歯」については、姉妹サイト『WHITE CROSS』をご覧ください。

5.デンタルの現像と保存の仕方

X線写真にも、デジタルの撮影機とアナログの撮影機があります。

デジタルの場合、スマートフォンで撮った写真と同じように、X線写真はデジタルのデータとして保管されます。アナログ撮影機の場合は、昔の写真と同じように、フィルムを手で現像(げんぞう)しなければいけません。

現像の手順とポイント

手順 手の動かし方 注意点
現像液の注入
  1. 現像液は飛び散りやすく、また衣服に着くと汚いシミになる。
  2. 現像液の注入機のボタンはそっと押す。
  3. 注入前後にフィルムに空気が入り込まないように注意する。
現像
  1. フィルム全体に現像液がいきわたるように静かにフィルムをもむ。
  2. 現像液が飛び散らないように注意する。
  3. 現像時間は、現像液の説明書にしたがう。
フィルム出し・水洗
  1. 少量の水を流しながらフィルムを開く。この際、現像液が飛び散らないように注意する。
  2. フィルムの端を指の腹ではさんで、しっかり水洗する。
  3. これ以降、歯などが映っていないフィルムの端など以外には触れないように注意する。ピンセットや専用のクリップを用いることもある。
定着
  1. 定着液につける。
  2. 定着時間は、定着液の説明書にしたがう。
水洗
  1. フィルムの指の腹ではさんで、しっかり水洗する。
  2. ピンセットや専用のクリップを用いることもある。
乾燥
  1. エアーをあててフィルムを乾燥させる。
  2. 表裏ともにサラサラになるまで完全に乾燥させる。

デンタルの保存

アナログで撮影したデンタルは、デンタルフォルダーという専用のクリアファイルに保存します。

デンタルフォルダー
デンタルフォルダー

デンタルフォルダーには、

  • 診察番号(×× ××)
  • 患者さんの名前(◯◯ ◯◯)
  • 撮影した年月日
  • 撮影した部位

などを記載します。

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姉妹サイト『WHITE CROSS』では、今回学んだ内容について、理解度チェックを行うことができます。ぜひご活用ください♪

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ぜひ役立ててくださいね♪

つづいては、「X線写真(パノラマとCT)と口腔内模型」について解説します。

第3章 患者さんの情報

STEP1 診療とカルテ
STEP2 紹介と対診
STEP3 治療に必要な情報
STEP4 口腔内写真5枚法の撮影
STEP5 う蝕と歯式
STEP6 歯周病と歯周組織検査
STEP7 X線写真(デンタルの撮影)
STEP8 X線写真(パノラマとCT)と口腔内模型